作成日:2026-10-18。状態:設計用草案。以下は実装前の研究設計を記録したものです。後続の P1-a で有限予測の7条件、P1-b で事象化の6条件、P1-c で参考モデル・合成・可用性の7条件を実行しました。認定は既知の十分条件に限ります。P0-d の116テスト・作成者草案22/22ケースは P0 の当時の結果で、P1 の合格数に加えません。独立レビューは未完了です。
D09:今回決めること
最終目標 に向け、P0 の意味プロファイルを固定したまま、新しい意味を理解する能力の追加と、内部の意味構造を変える改訂を別の契約で扱います。P1 は外部コード表の移行先を増やす段階ではありません。
| 研究対象 | 選定する具体例 | 確かめる原理 |
|---|---|---|
| 意味能力の追加 | 有限の可能世界と有理数重みで表した予測。単一事象・事象の連言の予測確率を求める | 予測の意味・対象・期間・モデルを取得でき、臨床上の発生事実に変わらない。既存の臨床推論へ流れる経路を管理できる |
| コア改訂 | 四項関係を、同じ事象に四つの役割が結び付いた表現へ移す | 文・モデル・回答・採用状態・根拠の引き継ぎを別々に確認する |
| 合成 | コア改訂後の内部参照の変更、または途中に射影を含む経路 | 各段階の認定だけで全行程を保証せず、対象範囲と中間実体を照合する |
| 境界・反例 | 存在は言えるが名前は分からない場合、欠落を偽にする更新、有限検査だけの認定 | 表現できない意味・変えた意味・未証明の範囲を成功へまとめない |
D09 は本節の研究上の決定で、R4 の移行ケース D09 とは別の名前空間です。数学的な契約は P1 契約、20件の期待条件は H01〜H20、一次資料の確認範囲は 出典 に分けます。
なぜこの二例から始めるか
有限確率モデルは、数値を保存することと、その値が何の確率か理解することを分ける小さい例です。一般の連続確率・因果・校正・医療上の予測性能まで一度に実装する必要がありません。有限確率を一階言語へ符号化できないと主張する選定でもなく、計算と解釈の能力を明示する試験です。
事象への引き継ぎは R5 の C1-a を具体化します。値の集合だけでは観察の対応を失うという P0 の反例を、意味構造の改訂でも防ぎます。グラフを使うこと自体の優位性は認定しません。
一般の存在証人生成は最初の実行対象にしません。存在を示す式と、特定の名前を返す問い合わせは別であることを H14 の反例として残します。一般の一階推論・閉世界否定を実装済みとする入口にはしません。
医療者・AI との境界
世界表・役割対応・認定票は開発者が扱う内部表現です。医療者へ新しいコードや整数比の手入力を求める設計にはしません。将来の臨床ライブラリとモデル接続層が、元の記録・対象・期間・由来を明示して報告を作り、AI の生成候補と確認後の状態を分けます。
接続先や新しい意味が必要とする情報を既存の記録から取得できるなら、根拠付きで利用します。未観察の値・対象期間・方法を AI で補って「操作変更なし」と判定しません。P1 はこの境界を検証する内部契約であり、臨床ライブラリや操作負担の実証は後続です。
P1 の成果物と今回の到達点
| 成果物 | 今回 | 後続 |
|---|---|---|
| 原理と引き継ぎの義務 | 真理・モデル被覆・支持回答・採用・由来・合成を明記 | 既知のテンプレートに対する条件検査と証拠の出力 |
| 意味モジュール | 有限予測の意味・回答型・能力照合・停止を定義 | 有理数演算と、採用済みの予測報告からの問い合わせ |
| コア改訂 | 役割の結合、内部事象 ID、否定・訂正の保存を定義 | 有限の事実・結合 Q の翻訳と照合 |
| 受入条件 | 20件を設計し、8件を JSON の設計例にした | 全件の実行用 JSON 化、作成者草案の版固定、反例・回帰評価 |
| 独立確認 | 未完了と明示 | P0 と P1 の原理・期待値の別途確認、不一致の裁定 |
examples/p1 は設計資料です。P0 CLI へ渡す request ではなく、P1 の結果を実行して得たファイルでもありません。runtime と P0 の37例は変更しません。
実装を進める順序
| 段階 | 作るもの | 着手前・完了時の条件 |
|---|---|---|
| P1-a | 版・ハッシュ・能力・結果型の照合と、有限予測の問い合わせ | H01〜H06・H20 を実行用 JSON にする。確率1でも臨床事実を出さない正負の対を必須にする |
| P1-b | 事象への引き継ぎテンプレートと、隠れた結合変数の射影 | H07〜H12。同じ事象への結合、否定と訂正、複数の原根拠を照合する |
| P1-c | 認定条件・モデル反例・二段階の合成 | H13〜H19。モデル被覆を欠く更新や途中の喪失を自動認定しない |
| P1-d | 全20ケース・P0 回帰・能力不一致と打切りの総合記録 | 実装・草案のハッシュを固定し、有限検査とテンプレートの保証範囲を別記する |
最初のコード着手範囲は P1-a です。P0 のプロファイルへ新演算を黙って追加せず、対応する操作と版を明示します。外部パッケージ、サーバー、データベース、DSL の文字列パーサーは現段階で追加しません。
設計資料の照合
20件の受入表と8設計JSONのID・未実装表示・生バイトハッシュ、契約とP0 P07への依存ハッシュ、文書リンクを確認しました。有理数の参考計算では7/10、連言3/10、独立と仮定した値9/25との差を確認し、事象の結合・射影・旧モデル被覆・存在・3要素モデルの反例も直接の有限データで照合しました。
これは設計例の整合性を確認する参考計算で、P1 処理系の実行・全20ケースの合格ではありません。照合要約は Git 管理外の data/research/p1-design-check.json に記録しました。設計 manifest の生バイト SHA-256 は ab938ba97390df0728fe551155d3c8d64f3e2007f7cf1b9ef42f8dbe8be266ed です。
設計時点では P0 の runtime・テスト・37例・評価器が直前コミットの生バイトと一致することを確認しました。その段階は文書と設計例のみの変更だったため、P0 の116テスト・全件評価を再実行して P1 の検証に数えることはしていません。後続 P1-a の回帰結果は上記の実装記録に分けています。
残る研究上の判断
- P1 の自動認定は既知テンプレートの十分条件から始める。任意プログラム・未知の意味定義を読んで正しさを自動認定する方式は選ばない。
- 古い処理系での再実行経路と、新しい意味での引き継ぎ経路を両方記録する。前者があるだけで後者を認定しない。
- 同じデータについて理論・採用方針まで変える更新は別の変更として記録する。新しい意味の導入による意図した差を隠さない。
- 普遍性の研究は P1 以後も続く。有限予測と一つのコア改訂に成功しても、全将来の意味を表現・判定できることは示せない。
WHO・LOINC 等の取得・転用の保留、独自体系の権利、実資料の D03 の条件は維持します。今回の例は全て架空で、予測モデルの臨床性能の評価は含めません。